今週は21年度税制改正(中小企業対策)について書いています。
昨日は「黒字会社」に関する記事、本日は「赤字会社」についてです。
このところの景気からこちらに該当する先も多いかもしれません。
さてそれは何か?というと・・・・
「欠損金の繰戻し還付の復活」です。
これはかなり効果があるのではないでしょうか。
もともと青色申告をおこなう法人には手前7年間の利益と欠損は相殺できる制度があります。
これは「青色欠損金の繰越控除」といわれますが、「利益が出ても繰越損失があるから法人税支払いが不要だ」なんて巷でよく聞くケースです。
(今でも適用はあります)
ですが、上記の「繰戻し還付」はこれとは別。
何が違うか・・・?
そうこれは「還付」なので、まずは先に支払った事実がなければ適用できません。
簡単に言えば「前年度は黒字だったが今年度に赤字に転落した場合、前年に納付した法人税の還付を受けられるようになった」ということです。
難しい言葉で記述すると・・・
青色申告書を提出する法人に青色欠損金が生じた場合、その欠損金を生じた事業年度前1年以内の事業年度に繰戻して、その欠損金額に相当する所得の全部又は一部を還付請求により還付する制度、なのです。
これは平成4年4月より適用停止になっていました。
この制度を今回復活させて、中小企業の資金繰りの安定を図ろうとするものです。
では具体的に金額で見ましょう・・・
前年500万円の黒字の為に110万円(22%)の法人税を支払った。
↓
(今年はちょうど500万円の「赤字」になった)
↓
前年度の黒字と今年度の赤字を相殺。
前年度に支払った法人税110万円の還付を受ける
といった感じです。
これは非常に助かりますよね。
なによりも利益の中からはじき出した尊いお金を無駄に使われず、翌年取り返せる?のですから。
加藤はこの制度の復活は大いに歓迎するところであると感じます。
さらにうれしいことにこの適用は平成21年2月1日以後に終了する事業年度からOKです。
具体的にはこの3月末の決算で上記のように赤字転落した企業はこの手を使えるのです。
(ちょっと政府もがんばりましたね)
がしかし、落とし穴もあります。
というのは赤字が連続する企業にとってはこの適用はありえないわけです。
戻すものがありませんからね・・・
ちょっと苦しいところです。
さて明日からは少し細かくなりますが、延長された制度を2点ほど書いてみようかと思います。
本日はこの辺で・・・